むし歯治療(一般歯科)予防歯科小児歯科
フッ素有効性や使い方はどうすれば?
以前のブログ『フッ素はいつから塗布する?しない?』ではフッ素の種類やタイミングについて説明しました。しかし実際フッ素がなにかわからないままに摂取したりしてる人も多いと思います。なので今回はフッ素のリスクやどういうものなのか。また実際にフッ素をした時としない時のリスクなど深く説明していきたいと思っています。

フッ素は必要?
よく質問される内容として「フッ素は必要ですか?」とか、クリーニングの後にフッ素してくださいと言われますが、実際にフッ素は必要なんでしょうか?
日本口腔衛生学会などよりフッ素を使用している人と、使用していない人で比較するとむし歯のなる確率(罹患リスク)が約15%〜60%減少することが科学的に証明されています。また実際、日本の各自治体での子供に対する集団フッ素洗口を実施している自治体においてむし歯の罹患率の減少が認められています。なのでむし歯予防に対してはフッ素は重要な予防策だと言えます。
フッ素は体に悪い?
ネットとかを検索すると「フッ素は有毒性」や「健康被害がある」という情報がでてきます。では実際にはフッ素は体に影響を与えるのでしょうか?
脳への影響
フッ素を継続的に摂取していると脳に影響を与えIQが低下するという発表が21世紀に入った頃いわれていました。これは水道水などからの継続的に摂取した場合に限り、なおかつ代謝能力の低い乳幼児に脳や神経発達への影響があるされました。しかし実際のところは「科学的根拠が不十分」となっており、なおかつ歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉からの脳への影響は認められていません。
発がん性
全く科学的根拠はなく日本の厚生労働省の調査でも、適切な濃度で使用されるフッ素と発がんリスクの関連性は認められていません。
フッ素症(斑状歯)
斑状歯に関しては起こりうる可能性はゼロではありません。しかし斑状歯になる条件として、水道水に含まれるフッ素濃度とかではなりません。まれに天然の水に濃度の高いフッ素が含まれている場合などでそれを歯の形成時期である8歳頃までに、飲み水として長期間摂取した場合に起こることがあります。歯科医院でのフッ素塗布や通常の歯磨きで使用する歯磨き粉で生じる事はほぼ考えられません。
このように、フッ素については色々なリスクや諸説が上がって来ますが、有害性の認められていない局所応用としてのフッ素塗布とフッ素塗布をしないで実際むし歯になるリスクを考えるとフッ素局所応用はかなり有効であるといえます。また最近ではフッ素に代わりアパタイトやCPP-ACP(リカルデント)などの代替成分による虫歯予防でてきてはいますが今のところ、コストパフォーマンスやアパタイトによる歯の切削などを考えるとフッ素よりも明らかに劣る状態であるといえます。
適切な量と過剰摂取の違い

フッ素にかかわらず何事にも適切量と過剰摂取量があります。水や酸素でも過剰摂取すれば健康リスクがあります。
酸素においては生きるために必要不可欠な存在ですが、高濃度になると肺や脳で中毒を起こし、めまい、呼吸困難、吐き気などが生じます。それと同じでフッ素でも適量であれば虫歯予防効果があり、健康上のリスクはほとんどありません。しかし過剰摂取すれば、歯のフッ素症(斑状歯)などの症状が現れる可能性があります。また、フッ化物製剤の誤飲(大量摂取)などにより、急性中毒を起こす可能性があります。
フッ素中毒

フッ素による発がん性や脳への影響は認められていないですが、フッ素中毒は実際に認められることがあります。
では実際にどのくらいの量を飲んでしまった場合にフッ素中毒になるのでしょうか?
フッ素による最小中毒量は、2mg/kgなので15kgの子どもだと30mg。医師の処置が必要となる見込み中毒量は5mg/kgなので75mg、致死量は45mg/kgなので675mgとなります。
よくある子供用のチェックアップジェル60g(バナナ;500ppm)で計算するとチューブを半分以上飲み込んでしまった場合、吐き気などをの中毒を起こす可能性があり、75mgにあたる、1.25本以上を飲み込んだ場合は、医師による処置が必要となる可能性が高いのです。致死量に至るには、22.5本分となります。
実際これはあくまで誤飲で一度に大量摂取した場合の摂取量です。一度に大量にではない場合は、仮に飲み込んだとしても、摂取したフッ素のうち90%以上は24時間以内に尿中から排泄され、体に取り込まれる量はごく少量です。
歯科医院でのフッ素塗布はフッ素濃度は高いですが適切に行えば問題ないと言えます。
フッ素の使い方

フッ化物歯面塗布
歯科医院における歯科医師および歯科衛生士が、9,000ppmの高濃度のフッ素を定期的に塗布する方法。使用する製品にもよって、塗布回数や持続期間に差がありますが、一般的に3カ月の虫歯予防効果があるものが多く使用されています。
フッ化物洗口
毎日や週に1回の程度で家庭や学校で行う方法です。薬局などで市販されているフッ化物洗口剤は225ppm~450ppmのフッ化ナトリウム溶液となっており毎日行うことで虫歯予防効果があります。
フッ素配合歯磨剤の使用
フッ化物の配合された歯磨剤の使用は、もっともご自宅で実施しやすいフッ化物応用方法です。以前のブログでも説明しましたが、就寝前のジェル状の歯磨き粉は虫歯予防に非常に有効だと思われます。
まとめ
フッ素に対してのリスクは色々な考え方や見方があるのも事実だと思います。しかし、それをふまえてもフッ素によるむし歯予防の有用性はあると思います。なので、お子様には3ヶ月に1回のフッ素塗布をお勧めしています。また、フッ素塗布を通して歯科に慣れ親しんでもらう事も重要とおもっています。詳しくは小児歯科のページも合わせてご覧ください。絶対にリスクのあるものはやりたくないと思う人もいると思います。当院ではそういう方にはアパタイトやCPP-ACP(リカルデント)などの代替成分による虫歯予防も可能ですのでお気軽に当院スタッフにお伝えください。