ブログ

フッ素はいつから塗布する?しない?

フッ素塗布はいつから???

よく最近夏休みという事もあり、フッ素について質問されることが多いので今回はフッ素の役割について説明したいと思います。

フッ素とは?

 フッ素とはミネラルの一種で、正式にはリン酸酸性フッ化ナトリウムとフッ化ナトリウムを主とするフッ化物です。ミネラルを摂取することで歯は再石灰(歯の表面の修復)を可能にします。

歯科医院専用
歯科医院専用

フッ素の役割

フッ素の役割は大きく3つあります。

①再石灰化の促進;歯の表面は色々な刺激によって結晶が破壊され微細な傷が存在します。それを放置すると穴があきむし歯へ進行していきます。フッ素にはその傷を修復(再石灰化)を促進する役割があります

②歯質の強化;フッ素により修復された歯質はもともとの歯質の強度より一層強くなり、むし歯は酸によって歯が溶けることで生じますが、フッ素により酸で溶けにくい歯となります。

③抗菌作用;むし歯はむし歯菌が産生する酸によって歯の表面がやらかくなり歯に穴が空くことでむし歯となります。フッ素には抗菌作用があり、その作用でむし歯の活動を抑制します。

このように、フッ素にはむし歯にならない様にする為に様々な良い作用が存在します。

 海外ではフッ素は普通に水道水に混ぜられて各家庭に運ばれています。世界保健機関WHOも、虫歯予防のために、フッ素を積極的に使うよう提言しています。水道水にフッ素を混ぜることが出来れば、口腔内やまだ萌出していない歯に対しても内面から作用することが出来、むし歯の予防に繋がります。しかし、何事にも限度があり、フッ素も過剰に摂取していいものではありません。フッ素を過剰に摂取した場合、斑状歯と言われる歯の表面に白い白濁した痣みたいなものが生じることがあります。

 また、フッ素で急性中毒を招く可能性としては、体重1㎏あたり2㎎のフッ素量とされています。これはたとえば体重が10㎏の赤ちゃん(1歳児くらい)の場合で20㎎摂取すると中毒症状を起こすかもしれないという数値です。この数値でいくと、市販のフッ化物配合の洗口剤を1本飲んでしまったとしても程遠く全然大丈夫な値です。

フッ素塗布のタイミング

フッ素はいつくらいから、塗り始めると効果的なんでしょうか?

 フッ素にいつからという明確な基準はありません。しいていうなら、歯が生えていないのに塗る必要はなく、目安としては前歯が4本ずつ生え揃ったぐらいから歯磨きの習慣をつける為に行っていくのが良いと思います。その時はまだ甘いから歯磨きをくわえる位でも大丈夫です。そこから徐々に歯磨きをするようになっていければいいとおもいます。

フッ素の適量

フッ素濃度はどのくらいがいいのでしょうか?

 現在日本で認められているフッ化物イオン濃度は1,500ppmF以下に定められており、1,450ppmF程度までのものが販売されています。市販で販売されている歯磨き粉などはこの濃度以下に設定されています。

2歳くらいまでは500~1,000ppmFの歯磨剤(ジェルタイプ)を1~2㎜。歯ブラシの先に少し程度。

6歳くらいまでは900~1,000ppmFの歯磨剤(ジェルタイプ)を5㎜。歯ブラシの先半分位。

6歳以上は1,400~1,500ppmFの歯磨剤を2cm。歯ブラシ全体。

ぐらいが適量です。その程度であれば、斑状歯になる事もありませんし、ジェル状のものは飲み込んでも大丈夫ですのでむし歯予防の為に夜寝る前は積極的に使用しましょう

まとめ

 このように、フッ素はむし歯予防についてはかなり効果的です。しかし、何事もそうですが、やりすぎは良くないという事です。適量を適時に使用することが一番重要になってきます。また、フッ素配合の歯磨き剤の使用・フッ素洗口・フッ素塗布はどれも長期にわたって続けることが大切です。継続してフッ素を塗布することで、むし歯の出来にくい環境を作ってやることが重要です。

 子供にとって削ることはやはり歯医者さんが嫌になる大きな原因です。そうならない為にも定期的な歯科受診は必要になってきます。フッ素は一つのきっかけになるとおもいます。当院では、大体3ヶ月のフッ素塗布をお勧めしています。詳しくは小児歯科のページをご覧下さい。