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スポーツドリンクを飲む危険!!!

 前回、「学校検診で紙をもらったら」というお話をしましたが、今回は少し方向を変えてスポーツドリンクについて話をしたいと思います。

 梅雨も明け夏本番になってくると思います。そこで、近年話題となっているのが熱中症です。どうしても、これからの季節、熱くなりますので熱中症対策にスポーツドリンクを飲んだりする機会が増えてくるのではないでしょうか?もちろん、水分補給が大事なのでスポーツドリンクを飲んだら駄目というわけではありません。しかし、飲む際には覚えといて欲しい事として、スポーツドリンクは口の中にとってあまり良いものではないという事です。

スポーツドリンクとは?

 スポーツドリンクとは、そもそも運動などをした際、発汗によって体から失われた水分やミネラルを効率良く補給することを目的とした飲み物です。その為、スポーツの際に失われがちな電解質やミネラルを含んでおり、疲労回復に必要なクエン酸や、ブドウ糖を多く含んでいます。この糖質が問題となってきます。

スポーツドリンク内の糖質の量はどのくらい?

 疲労回復の際、最も効率の良いエネルギー源はショ糖やブドウ糖と言われている糖質です。では、スポーツドリンクにはどのくらい糖分が入っているのでしょうか?スポーツドリンクの成分表示を見てみると炭水化物や砂糖、果糖ぶどう糖液という名称があると思います。これが糖分にあたります。

 一般的なスポーツドリンクの場合500ml中に約33gの糖分が入ってます。これはステックシュガーの約11本分に相当します。世界保健機構(WHO)において大人1日あたりの砂糖摂取量は25gまでが望ましいとされています。なのでスポーツドリンクを常用したりしてしまうと明らかに過剰摂取となり糖尿病や生活習慣病にかかるリスクが高くなってきます。

スポーツドリンクは飲んではいけないのか?

 では、スポーツドリンクには過度な糖分が含まれているので飲んではいけないのかという問題になってきます。先述したように、スポーツドリンクには糖質以外にも身体を正常な状態に回復させる為に色々な成分が含まれているので、飲んではいけないという事はありません。しかし過剰摂取や常飲するものではありません。発汗量や運動時間の違いで、適する糖質濃度や食塩濃度が異なってきますが、運動時に摂取する飲料の糖質濃度は3~8%、食塩濃度は0.1~0.2% がそれぞれ適切な濃度の範囲といわれています。適切な量を適切な時に飲むことが重要となってきます。

熱中症対策や飲む時には?

 どうしても飲まなければならない時や熱中症対策にはどうしたらいいんでしょうか?

歯医者の立場から言うと、普段の生活においては水やお茶で十分かと思います。そして、スポーツや大量の汗などをかいて脱水気味の場合はスポーツドリンクより経口補水液をお勧めします。経口補水液はスポーツドリンクよりも糖分が低く塩分が多い為、競技中や熱中症対策には理想的です。そして一番大事な事はだらだら飲まない事です。どうしても、スポーツドリンク、経口補水液も両方とも飲んでしまうと口の中は酸性になってしまいます。この状態が長く続いた場合絶対にむし歯になってしまいます。

まとめ

 このように、スポーツドリンクや経口補水液が駄目ということはありません。しかしこれらのドリンクを常用または、だらだらと飲んでしまうと身体にいいことは何もありません。何事も、適切な時に適切な量が大事です。

 暑くなってきて水分補給は重要になってきますが、これらの事を少し気に留めといていただいて特にお子様などのクラブ活動や外での水分補給には気を付けていただきたいです。また、むし歯の出来るメカニズムなどは一般歯科のページでも詳しく説明しておりますのでそちらも合わせてご覧ください。