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妊娠がわかったら歯科はどうする?妊娠初期・中期・後期、それぞれの歯科受診タイミングと判断の目安とは?

 妊娠してしまったらお口の中の状態は一体どうなるのでしょうか?妊娠中は、体の変化が次々と起きて、自分のことは後回しになりがちです。なかでも「歯医者に行っていい
のかどうか」と迷ったまま、ずっと気になっている方は少なくありません。歯科治療は、基本的に時期によって受けられるものと控えるべきものがあります。ただ、「妊娠中は何もできない」ということはありません。受診の適切なタイミングを知っておくだけで、お口の状態を守りながら、出産後も自分の歯で食事を楽しめる土台をつくることができます。

 なので今回は妊娠初期~産後までの身体の変化や口腔内の変化、そして歯科治療のタイミング、妊娠中の口腔内ケアについて、順番に整理していきたいと思います。

妊娠初期(1ヶ月~4ヶ月)のお口の変化と受診の考え方

 妊娠初期(1〜4ヶ月)のお口の変化と受診の考え方

 妊娠初期はホルモンバランスが急激に変化するため色々な体調の変化が生じてきます。基本的には体調不良や流産の危険性が高い時期(特に12週まで)のため、身体の安静にする事を最優先に行います。口腔内の変化としてはホルモンバランスが崩れることで妊娠性の歯肉炎になりやすい時期になって来ます。何もしなくても歯肉が腫れやすく、歯を磨いたら出血しやすい状態になってきます。また、悪阻(つわり)の影響で歯ブラシによるブラッシングが出来なくなったり、また胃酸逆流のほか、酸っぱいものを好んで食べるので口内が酸性になりやすい状態にもなってきます。なので、口腔内状態としては非常に厳しい状態になっている時期でもあります。

歯科治療はどこまで受けられる?

 この時期の本格的な歯科治療は基本的には避けることが多いです。どうしても痛む場合や、腫れがある場合は応急対応で行う形になります。この時期のレントゲン撮影、麻酔薬などは胎盤を通過しにくい為赤ちゃんにはほとんど影響はありませんが、リスクと利益を考慮して最小限にする必要があります。歯科検診や口腔内のクリーニングは体調にもよりますが基本的には問題なく可能です。しかし、受診時は必ず妊娠中であることを伝え、母子手帳を持参しましょう。口腔内環境が悪化しやすく歯ブラシをすることが難しい為、洗口剤なども使用しより細やかなブラッシングが必要となって来ます。体調を最優先しながらなるべく口腔内を清潔に保ちましょう。

妊娠中期・安定期(5ヶ月~8ヶ月)は治療のベストタイミング

 この時期に積極的に取り組みたいこと

 妊娠中期は安定期になってきます。この時期はつわりが落ち着いてきて食欲が戻り、母子ともに心身が安定しやすい時期です。お腹が大きくなるにつれて特有のトラブルも増えるため、無理のない生活を心がけ出産準備を少しずつ始めていく時期になって来ます。口腔内の変化としては初期に引き続き女性ホルモンの影響で歯肉が腫れやすい状態が続いているので注意が必要となってきます。また、妊娠前とは嗜好品などの食生活も変化している為、自分の状態をよく知る事も重要です。

 控えた方が良い処置について

 この時期、ほとんどの歯科治療は行うことが可能です。レントゲン撮影、麻酔薬もほぼ赤ちゃんには影響がありません。ただ、抜歯などの観血的処置などは慎重に行う必要があり、ホワイトニングなどの治療などは避け、長時間の治療は控えましょう。体調と相談しながら行う事が大事です。妊娠初期では口腔内ケアが行う事が困難だったかもしれませんが、この時期は積極的に口腔内ケアを行い出産後に備える必要があります。また以前のブログ『虫歯は子供にうつる?』でも説明しましたが、子供のむし歯は親から感染する可能性が高い為、むし歯も治しておく必要もあります。どうしても、出産後は子供第一になり自分の事は後回しになりがちになってしまい治療等の時間が取りにくくなってしまうので、出来るだけこの期間に治してしまいましょう。

妊娠後期(9ヶ月~)はセルフケアを最優先に

 お腹が急速に大きくなり、赤ちゃんの成長を感じ会える楽しみが増す一方で、体にさまざまな変化やトラブルが起きやすい時期でもあります。そして10ヶ月を過ぎると臨月となり出産となります。

 受診が必要になったときの注意点

 この時期の歯科治療はなるべく避けることが望ましいです。口腔内ケアやセルフケアはしっかり行うことは重要ですが、プロフェッショナルケアなどはお腹が大きく仰向けが辛いため、緊急時を除き出産後が望ましいです。歯科治療を行う際は短時間で左側臥位や腰にクッション・タオルを挟むなどで体制に注意しながら最小限で行うことが重要です。

出産後(授乳中)の歯科治療について

 出産後も基本的には、ホルモンバランスの関係で妊娠性の歯肉炎は継続しています。なので、腫れやすく出血しやすい環境ではあります。また、夜間の授乳などで睡眠不足やいつ歯を磨いたらわからないなどの口腔内環境が悪化しがちになります。

 歯科治療はいつから?

 基本的には産後1ヶ月健診で母体の回復が順調であれば通常の歯科治療可能です。抜歯などの処置は3ヶ月後位から可能になってきます。またレントゲン、局所麻酔薬が赤ちゃんに母乳を介して影響を与えることはほぼないです。妊娠中に出来なかった治療も積極的に行う必要があります。ただ、投薬に関しては慎重に行いますが授乳中でも安全な薬使用することが必要になって来ます。

「まとめ——妊娠中にお口で大切にしてほしいこと」

 妊娠とは女の人にとってすごいリスクを伴う出来事であり、人生での一大イベントでもあります。妊娠中のお口のケアは、赤ちゃんの健康にもつながっています。歯周病が早産や低体重児出産のリスクを5~7倍高めることは、研究でも報告されています。これは高齢出産や喫煙、アルコールによるリスクと比較してもはるかに高い数値です。妊娠してからあわてるのではなく、日頃からの定期的なメンテナンスが、何よりの備えになります。

 当院では、妊婦さんが安心して受診できるよう、妊婦歯科健診にも対応しています。つわりの時期や体調に合わせた対応もしていますので、まず気軽にご相談ください。

産後は、お子さんのことで精一杯になって自分の治療が後回しになりがちです。安定期のうちに一度、お口の状態を確認しておくことをおすすめしています。当院の院長の考え方や診療方針については、院長紹介のページもあわせてご覧いただけます。

「妊娠中だけど歯が気になる」「いつ受診すればいい?」と迷っている方は、まずはお電話またはWEB予約からご連絡ください。