インプラント審美歯科
セラミック治療とインプラント治療との違いとは?
以前のブログ『歯がなくなってしまっては。。。』では、歯が無くなった場合にどういう治療法があるのかという事を説明しましたが、そもそもセラミック治療とインプラント治療の違いとは何なんでしょうか?患者さんにはよくどっちがいいか聞かれますが、今回はその違いやメリット、デメリットなどを説明していきたいと思います。

インプラント治療とセラミック治療の違い
そもそもインプラント治療とセラミック治療との違いはなんなんでしょうか?それは歯が残っているか歯が残っていないかが一番の違いです。
インプラント治療におけるインプラントとは歯の無い所(欠損部位)にチタンでできた人工の歯根を植え込む治療法です。セラミック治療とは、歯のある所にセラミックの素材で被せたり詰めたりする治療方法です。なので、広義の意味でいうとインプラントの歯にセラミックの被せ物を装着するとセラミック治療のひとつとなります。最近は、チタンでできたインプラントにセラミックで出来た被せ物や連結部を使用することが主流となって来ています。
インプラント治療とは

そもそもインプラントとはどういうものなんでしょうか?以前にも説明しましたが、インプラントとは歯を失った時に骨の中に埋めこむチタンでできた人工の歯根です。つまり、歯を失った時に骨があれば始めて使える手段です。
インプラントの構造としては、インプラント体(フィクスチャー)、人工歯(上部構造)、そしてこれらを繋ぐ連結部(アバットメント)の3ピースからなってる事が多いです。最近の主流は人工歯とアバットメントが一体型の2ピースが主流となっています。

インプラントの主な素材はチタンです。チタンは生体親和性が他の金属よりも高く金属アレルギーを引き起こしにくいという特性があり、インプラントだけでなく、人工関節、心臓弁など様々な部位に使用されています。そのチタンの上の人工歯としてセラミックを使用している場合がほとんどです。
☆ メリット ☆
インプラントのメリットとしては、インプラントを埋める骨さえあれば前後の歯の状態に関わらずその歯、単独で修復することが可能になります。なので、前後の歯を削ることなく元の天然歯に類似した状態に戻すことが可能です。単独で修復することが可能な為、前後の歯に負担はかかりません。
あと、これは絶対覚えてといて欲しいですが、歯が無くなった時にインプラント治療は他の補綴治療と較べ予後や耐用年数は長いのがメリットですが、永久的な治療方法ではありません。インプラントも歯周病になりますし症例は少ないですが破折もします。なので、自分の歯に勝るものはないということです。
☆ デメリット ☆
インプラントのデメリットとしては、保険外治療なので高額になるという事と、どうしても骨と結合させなければならない為、治療期間が長くなるということです。また、インプラント体を骨に埋め込む為、外科処置が必要となりますので身体に負担がかかることが一つのデメリットとなります。また金属アレルギーの人は適応範囲外です。
セラミック治療とは

そもそも、セラミックとは歯の充填する際や被せ物をする際の素材の事です。なので、インプラント治療とセラミック治療を同じと考えるのは少し違います。インプラントは治療法であり、セラミックは材料にすぎないです。ただ、保険の治療ではセラミックを使用することが出来ない為、セラミックを使った治療を行う時にセラミック治療と呼んでいるということです。今回はこのセラミックを使った治療法について説明していきます。
セラミックの種類としてはジルコニア、オールセラミック、ハイブリットセラミックなど色々な種類が存在します。基本的にはセラミックやガラスセラミックの成分などによって強度や見た目、使用部位や方法が決められてきます。セラミック治療はインプラント治療と違い治療期間としては保険治療でかかる時間とほぼ同じか1~2回通院回数が多くで完成することが出来ます。

☆ メリット ☆
セラミック治療とインプラントを比較したメリットは一番に自分の歯が残せるという事です。また、外科処置等を行わないので身体への影響が少なく金属アレルギーの人にでも使用できるというメリットがあります。また、長年金属を使用すると金属イオンが溶け出し歯肉が変色してしまう事がありますがセラミックを使用するとセラミックそのもの溶け出しもないですし、色の変化もない為セラミックも長く使用できる材料となってきます。また、セラミックは審美的にもその他の歯と同じように見せることが可能です。
☆ デメリット ☆
セラミック治療のデメリットとしてはインプラントと同じく保険外治療の為、高額になることが挙げられます。セラミックの素材の特性として、硬さは金属よりは硬いですが脆性と言って衝撃に弱い事が挙げられます。これはどんなけ良いセラミックをいれても割れる可能性が出てくるということです。イメージでいうと陶器お皿のイメージです。金属の皿は落としても変形すること割れる事はないですが、陶器のお皿は欠けたり割れたりすると思います。これが、セラミックの欠点です。
まとめ
セラミック治療とインプラント治療というのは似ているような感じがありますが全然違ってきます。両方とも保険外治療になる為、高額な為なりなかなか選択するのは難しいですが、その治療費を払う価値のある良い治療法です。ただ、日本だけが、保険医療制度のおかげで全員が治療を受けることができます。海外では、基本的には医療は自費になってきてしまいます。なので、海外においてはセラミックが主流となっておりその費用が払えない人は抜歯になってしまいます。なので保険医療は日本独自の治療システムとなっていますが、保険の治療法が悪い訳ではありません。セラミック治療やインプラント治療を無理してまではお勧めしませんが、重要なことはしっかりメリット、デメリットを理解したうえで選択することが重要です。
当医院でもインプラントやセラミックの審美治療も行っています。興味がある方は当院スタッフまでお気軽にお聞きください。また、詳しくは審美歯科のページやインプラントのページを合わせてご覧ください。