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被せた歯が痛いのはなんで?

 ゴールデンウイークが近くなって旅行やイベントが多くなる時期になってきました。旅行先やイベント時の楽しい時に被せた歯が痛くなったことはありませんか?今回は被せた歯が痛くなる原因と対処の仕方ついて説明していきたいと思います。

 被せた歯が痛くなる原因としてはいくつかの要因がありますが被せた時期や被せた歯の状態が重要になってきます。

被せた直後や被せてから1~2週間の場合

①被せ物の高さがあっていない;被せ物の高さが合っていない場合、毎回噛むと強くあたる為、歯と顎の骨(歯槽骨)の間にある歯根膜という組織に炎症がおき歯根膜炎という状態になります。この状態になると「噛むと痛い」という症状が生じます。

②むし歯が大きく深部まであった;歯には一本一本神経が通っています。むし歯がこの神経に近くなればなるほど痛みが強くなってきます。最近の治療の進歩で神経の近くまで達した虫歯であっても、歯を削る量を最小限に抑えて鎮静作用をもつ薬剤を使用することで、従来なら神経をとるしかなかった場合でも神経を一度残す治療を行うことが臨床的には多くなってきています。

その為、どうしても被せを入れた後に神経症状が出る場合があります。その場合「何もしなくても痛い」「噛むと痛い」という症状がでてきます。

③金属の詰め物をした;虫歯の大きさにもよりますが、大きいむし歯の時に金属の被せ物をした場合、金属は熱の伝導率が高いため、冷たいものや熱いものの刺激を歯の中に伝え、その刺激によって「染みる」とう症状がでてきます。

被せて長時間経った場合

①むし歯になっている;詰め物をして長期間が経ってしまうと再度内部でむし歯になっている場合があります。その場合、神経症状が出てくることがあります。その場合神経が深部むし歯だった場合と同じく「何もしなくても痛い」「噛むと痛い」という症状がでてきます。

②神経をとった歯で感染している;神経をとった歯は基本的に痛みが出る事はありません。しかし、根管内で感染がおきてしまうと、根尖に炎症を生じることがあります。その場合、「何もしなくても痛い」「噛むと痛い」の他に「歯茎が腫れている」という症状がでてきます。

③歯が割れている;歯を被せたりして長期間経った歯は何らかの衝撃などで割れてしまうことがあります。その場合神経がある、ないで症状は変化しますが基本的には「噛んだ時だけ痛い」といった症状が出てきます。もちろん、神経がある場合にはむし歯が大きい時と同じ様な神経症状が生じてきます。

④硬い物や強く噛みしめた;今まで順調に噛めていたのですが、噛みしめや硬いものをふとした瞬間に強く噛んでしまい一時的に歯に負担がかかった場合、被せ物の高さがあっていない時と同じような「噛むと痛い」という症状が生じます。

このように、被せをいれた歯でも色々な原因で痛みが出てくる可能性があります。

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もし痛みがでてしまったら?

 もし被せた歯で痛みが出てきてしまったら、対処方法としてはその症状によって異なってきます。

①噛んで痛い場合;強く噛んでしまって痛い場合や、金属の被せものをいれたことで痛みが出てきている場合は安静にしていればよくなっていくことが多いです。ただ、噛み合わせが高い場合は被せ物の調整が必要となってきます。

②何もしなくても痛い場合;何もしなくて痛い場合は神経の炎症や感染が起きている事が多いです。この場合、なるべく早く歯科医院を受診することをお勧めします。歯科医院を受診後適切な処置が必要となってきます。

③歯茎が腫れている;歯茎が腫れている場合、ほとんどが神経が感染しているもしくは歯が割れていることが多いです。基本的には歯科医院を受診し適切な処置が必要になってきますが、応急的には、患部を冷却することや市販の抗生物質などを服用することで少し緩和してきます。しかし、症状が緩和したからといって放置をしてしまうと再発してしまいますのでなるべく早く歯科医院を受診することをお勧めします。

まとめ

 痛みが生じた場合不安になるとは思います。しかし、最近の医療技術の発達に伴いどうしても、痛みが出てくる場合もあります。痛みがでると状態が悪くなると思っていますが、治療を行ったからこそ生じる痛みもあることもあります。当院ではなるべく痛みが出ない様に治療は行っていますが、痛みが出た場合はなるべく早く受診することをお勧めします。