予防歯科
「飲んだまま寝落ち」は危険?お酒を飲むと虫歯になりやすい?お酒と歯の意外な関係を解説!
2025年、残すところ僅かとなって来ましたが、年末になってくると忘年会や新年会など、お酒を飲む機会が増えるこの季節。「楽しい時間の後、つい歯磨きをせずに寝てしまった…」という経験はありませんか?
実は、アルコールは身体だけでなく、お口の中にも大きな影響を与えます。「翌朝、口の中がネバネバする」「歯が少ししみる気がする」といった違和感は、歯からのSOSかもしれません。そこには、お酒に含まれる「糖分」だけでなく、酸によって歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」や、アルコールの利尿作用による「唾液不足」など、意外な原因が隠れています。たまには大丈夫とは思っていてもそれが積み重なると色々な障害を引き起こす原因となりかねません。なので今回は少しいつもと違った視点で、お酒が歯に与えるリスクと、飲み会シーズンを楽しく健康に乗り切るための「正しいケア方法」について解説します。いつまでも美味しくお食事やお酒を楽しむために、ぜひ参考にしてください。

お酒が歯に与える3つの悪影響とは?
リスク1;酸によって歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」
酸蝕症と言えば大げさに聞こえるかもしれませんが、基本的にはお酒は酸性になってきます。酸性かアルカリ性かを表す値にPh値がありますが、お水や牛乳は中性でPh値は7です。歯が溶け始めるPh値は5.5前後とされています。ではお酒のPh値はどのくらいなのでしょうか?

・酎ハイ(pH2.5前後)、赤ワイン(pH2.5~3)、ビール(pH4)、 日本酒(pH4.5)、ウイスキー(pH5.0)
各種、飲み方によって多少のPh値は変化しますが大体はこの値になってきます。
歯は固いエナメル質に覆われていますが、酸にさらされ続けると徐々に溶けてしまいます。通常の食事でも歯は溶けていますが唾液が中性に戻しています。唾液の中和が間に合わないほど酸性が強い飲食物や、続けて酸性のものを摂取し続けていると歯が溶けてしまうのです。そうなると象牙質が出現して黄色くなったり、痛みが出たり、虫歯になりやすくなったりします。なので、お酒を常用しすぎると歯を痛めるリスクが増えてきてしまいます。
また、お酒が酸性なのも問題ですがその飲み方にも問題があります。基本的に飲む場合、短時間で終わることは少ないと思います。ジュースや普通の食事を長時間することはあまりありませんが、お酒の席は長引いたり、お酒を飲みながら何かをしたりすることは多いのではないでしょうか。その場合、スポーツドリンクと同じで口の中が絶えず酸性になってしまします。
リスク2;アルコールの利尿作用による「脱水」と「唾液減少」
お酒には利尿作用があるアルコールが含まれているため、脱水症状になりやすいと考えられています。一般的にアルコールというとエチルアルコール(慣用名:エタノール)を指しており、このエタノールが脳下垂体後葉に作用し抗利尿ホルモンの分泌を抑えることで、腎臓からの水分を促進し、尿となって排泄されると考えられています。抗利尿ホルモンとは、生命を維持するために水分の出入りをコントロールしているホルモンです。主に、尿量を抑えて水分を体に貯めるように働いています。そのホルモンの分泌を抑える為、アルコールを大量摂取した時にはお手洗いに行きたくなってしまいます。すると、体内の水分量が減少し脱水症状が生じてしまいます。その初期症状として口渇(唾液の減少)が生じ唾液が減少することで口臭の悪化やむし歯のリスクが上昇してしまいます。

リスク3;ダラダラ飲みによる「糖分」の滞留
お酒の種類にもよりますが、基本的にカクテルや甘いお酒に含まれる糖分もあまりよくありません。これは先ほどの酸蝕症の時にも説明しましたが、どうしても長時間だらだらお酒を飲んでしまうとそれに伴い糖質によってむし歯になるリスクが上昇してきます。

歯を守るために知っておきたい
「飲み方」のポイントは?
・だらだらと飲んだり食べたりしない;できるかはわからないですがなるべく短時間で食べたり飲んだりするように心がけましょう。
・お酒の合間に「お水」を飲んでお口を中和する;また、どうしても、長時間になる場合は水などを合間にのんで頂き、一度お口の中を中性に戻すようにしましょう。
・ 「中性」に戻しやすいおつまみを選ぶ;おつまみなどの選択も重要です。チーズやナッツなどの口の中を中性に戻しやすい食べ物を選ぶようにしましょう。
飲酒後の正しいオーラルケア(歯磨きのタイミング)
・「飲んだまま寝る」が一番危険!うがいだけでも効果あり飲酒後に歯磨きをする
どうしても、飲酒後は早く寝たいものですが絶対にやって欲しいのが歯磨きです。上で述べた通りどうしても飲酒後の口腔内環境は劣悪です。その状況で寝てしまうとむし歯のリスクや歯周病のリスクがかなり増大してしまいます。なので、非常に面倒だとは思うのですがいつも以上に念入りにブラッシングが必要になってきます。もし、どうしても出来ない場合でもうがいやデンタルリンスだけでも大丈夫ですのでするようにしましょう。
・飲酒直後のゴシゴシ磨きは避けるべき理由「飲酒直後の歯磨き」は辞める
これはなかなか難しいのですが、飲酒直後のブラッシングは酸で柔らかくなった歯を傷つける為、出来れば入浴後とか少し時間を空けてからのブラッシングをお勧めします。しかし、もし間を空けてしまうと就寝してしまうという場合は時間を空けなくても大丈夫です。翌朝はフッ素入り歯磨き粉で念入りなケアを行うようにしましょう。

まとめ
お酒は日々の楽しみやコミュニケーションの潤滑油として素晴らしいものですが、お口の環境にとっては負担がかかる場面でもあります。「適量を守る」「お水を挟む」「寝る前にケアをする」といった少しの工夫で、虫歯や酸蝕症のリスクは減らすことができます。
しかし、自分では気づかないうちに歯が溶けていたり、小さな虫歯ができていることも少なくありません。特に年末年始の忙しい時期は、お口のトラブルを放置しがちです。
かとう歯科クリニックでは、むし歯の治療はもちろん、トラブルを未然に防ぐ「予防歯科」に力を入れています。「最近歯がしみる」「詰め物の調子が悪い」など、気になることがあればお早めにご相談ください。かとう歯科クリニックでは定期的なメンテナンスをお勧めしております。メンテナンスについては予防歯科のページもご覧ください。
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