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入れ歯ってどんなの?

 前回、「歯が無くなってしまたら」ということで、ブリッジ、入れ歯、インプラントの話をしましたが今回は入れ歯についてもう少し詳しく説明したいと思います。

入れ歯には大きく分けて総入れ歯と部分入れ歯の二つに分かれます。総入れ歯は、すべて歯がなくなった人の入れ歯であり、歯茎だけで支える入れ歯になります。部分入れ歯は、歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯と言われ、歯茎と歯で支えます。

Set of dentures on white background
  • 総入れ歯;総入れ歯は歯が1本もないもしくわ、根っこだけが残っている状態にその上に装着する全部総義歯のことです。皆さんがイメージしているおじいちゃん、おばあちゃんの入れ歯はこの入れ歯であることが多いです。総入れ歯の特徴としては、歯が無い為、噛む力を全て歯茎で支える形になります。その為、健康な人と較べて30%ぐらいしか噛めないといわれています。しかし、歯が無い為、歯の形や歯並びはある程度自由に決める事ができます。
  • 部分入れ歯;部分入れ歯は歯が残っている状態に抜けた部分に入れ歯を入れる方法です。部分入れ歯の特徴としては、残っている歯にクラスプという金属のバネを引掛けて歯と歯茎で噛む形となります。その為、入れ歯の形種類などはある程度決まってきます。そして、歯の残っている本数が少なくなればなるほど総入れ歯に近い形となってしまいます。

☆ 入れ歯の作り方 ☆

 入れ歯は抜歯などを行なったのち、歯茎の状態が落ち着けば作製可能となります。歯茎の形が落ち着いていなければあった入れ歯を作るのは困難になってきます。入れ歯の製作過程としては、大まかな型を取る→精密な型取り→噛み合わせをとる→仮合わせ→装着というながれで大体5回ぐらいかかってきます。そして一番大事な事はその後の調整です。どれだけ精密に型を取ったりしても噛み方というのは、人それぞれでそこまで精密に模型に再現できないのが現状です。なので、どうしても歯茎の痛い所や、噛み合わせの調整が必要になってきます。なかなか、一回で合うのは難しいのが現状です。

☆ 入れ歯の種類 ☆

総入れ歯

レジン床(保険適応);レジン(プラスチック)で出来たもの。保険で作製できる入れ歯。3割負担の方で1万~1万5千円くらいで製作できる。特徴としては、レジンは強度があまりない為、強度を持たせる為に入れ歯自体を厚くして作製しなければいけません。そのため、慣れるまではしゃべりにくいことや異物感がでることがあります。特に、上の総入れ歯の場合、上顎を大きく覆ってしまうため、食べ物の温度を感じにくく、嘔吐反射がでる人は気持ち悪くなりやすいことがある。

金属床(保険外);粘膜面を金属で覆っている入れ歯。金属はレジンと比較して薄くて強度もある為、入れ歯自体を保険適用の入れ歯よりも薄く作れるため、ひずみも少なく違和感やしゃべりにくさが少ないのが特徴です。また、プラスチックより熱を伝えやすい為、食べ物の温度を感じやすく、食事をおいしく感じやすい利点があります。デメリットとしては、保険適応外なので金属の種類によって値段が変わるが22万~と値段が高い。また、金属を使用するので修理が困難であることがあげられます。

部分入れ歯

レジン床(保険適応);レジン(プラスチック)とクラスプ(金属のばね)で出来たもの。保険で作製できる入れ歯。歯が無い部分の大きさによりますが3割負担の方で5千円~1万5千円くらいで製作できる。特徴としては、総入れ歯と同じですが、場所によっては金属のばねが見えることがあり、審美的に悪くなります。

ノンクラスプデンチャー(保険外);ノンクラスプデンチャーとは、クラスプ部分に、金属ではなく歯茎と同じピンク色の樹脂を使用している部分入れ歯のことです。保険適用の部分入れ歯のように金属部分が目立つことはないため、審美的に気になることはありません。値段は7万5千円~と範囲によって変わってきます。デメリットとして特殊なプラスチックを使用する為、修理が困難な事が挙げられます。

金属床(保険外);特徴としては総義歯と同じですが、ノンクラスプデンチャーと併用して金属床にクラスプ部をノンクラスプにすることで審美的にも良好な入れ歯を作ることが可能です。

☆ まとめ ☆

 前にも言いましたが、歯がなくなると何かは選択しなければなしません。放置が一番駄目です。その中でも入れ歯をするとなったら入れ歯の種類に関わらず、基本的に食後や就寝時は外し、ご自身の歯のケアをするのと同じく清潔に保たなくてはいけません。入れ歯に食べかすなどの汚れがついたままだと、入れ歯のにおいのもととなったり入れ歯に歯石がこびりついたりすることがあり、不衛生な状態となります。入れ歯を長く使いつづけるには、毎日のケアが重要です。

当院では患者さんと相談したうえで治療方針を決定していきますのでお気軽にご相談ください。入れ歯についての詳細はホームページにも掲載しておりますのでそちらもご覧ください