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CAD/CAMで白い歯に!

今までの保険診療では被せ物は銀歯を使うことが一般的でした。これは日本特有のことで国民皆保険制度がある為でした。海外では歯科治療は自費で行われる為、詰め物にはセラミックなどが主流となってしまいます。

しかし近年、保険診療でも白い歯ができるようになりました。これは、近年材料の進歩や接着技術の進歩、また金属等の材料費の高騰などの背景があります。

CAD/CAM冠とは?

保険で製作できる白い歯はCAD/CAM冠といわれています。今回はこのCAD/CAM冠について詳しく説明したいと思います。

CAD/CAM冠とは、コンピューター上で設計を行いミリングマシーンという機械でブロックから自動的に削りだしてきた被せ物です。このシステムは最近登場したシステムではなく、以前から歯科治療に導入されているシステムであり、自費治療のセラミックの詰め物、被せ物を製作する為に広く利用されていました。近年、保険診療の被せ物、詰め物治療まで活用できるようになりました。

スキャナーによる撮影

PC上での作製

機械でのブロックからの削り出し

出来上がった被せ物

CAD/CAM冠の見た目、物性について

CAD/CAM冠は、ハイブリットセラミックというレジン(プラスチック)とセラミックを混合した材料で作られており一応セラミックの分類に分けられていますが、どちらかというとレジンに近い物性をもっています。その為、純粋なセラミックと較べると審美的にも強度的にも劣りますが銀歯と比較した場合、CAD/CAM冠の方が審美的であるといえるでしょう。

CAD/CAM冠の適応条件

保険治療でCAD/CAM冠を使用する際にはいくつかの条件があります。特に6番目の第一大臼歯に使用する際には以下の条件があります。

・前から7番目の第二大臼歯が上下左右ともに残っている事

・左右の噛み合わせが安定しており過度な力が加わらない事

前からの7番目の第二大臼歯は基本的にCAD/CAM冠の適応にはなりません。しかし、金属アレルギーがあって医師の診断書があれば7番目の第二大臼歯も適応可能です。前から5番目まではすべて適応できます。

CAD/CAM冠のメリット、デメリット

☆ メリット ☆

  • 銀歯とは違い歯の色に似た白さを再現できる
  • 金属アレルギーのリスクがない
  • 硬すぎない為、噛み合う天然歯を痛めにくい
  • 保険適応な為、自費の白い被せ物より費用負担が少ない
  • 技工期間が短い為、治療期間が短縮できる

☆ デメリット ☆

  • 保険適応で使用できる色が少ない為、セラミックと較べ審美性が劣る
  • レジンが含まれている為経年的に変色する可能性がある
  • 銀歯やセラミックより劣る為、割れたり脱離する可能性がある

☆ まとめ ☆

CAD/CAM冠の物性や適合は年々よくなってきており以前より推奨できるケースが多くなってきました。しかし、いまだに自費のセラミックの方が良い材料であるのは否めません。ですが、保険治療で審美的な事を求めた場合いい材料であることは間違いありません。銀歯を白くしたいなどの希望がありましたらぜひ一度ご相談下さい。

また当院では削り出す機械(セレック)を受付の横に完備しておりますので一度見ていただいたらと思います。このブログとあわせて、セレックシステムのページもご覧ください。