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むし歯を放置して痛みが出てきたら???

 前回、夜歯が痛くなる原因を説明さしていただきましたが、今回はむし歯を放置するとどうなるのかについて説明したいと思います。

やはり歯科医院はいきたくないもの。みなさん色々な理由でむし歯を放置してしまった場合、たいてい痛みが出てきます。その痛みの程度が、歯がしみるであったり、噛んだら痛いであったりします。この時に歯科医院を受診するとほとんどの場合、一度や二度の歯科治療で完治することが大半です。しかしながら、この歯からのサインをさらに無視して放置すると、何もしなくても痛いや、痛くてたまらないような症状が大きな痛みが生じます。こうなれば、歯の神経の治療(根管治療)を行わなければ痛みは消失してきません。なので今回は根管治療についてみていきたいと思います。

 むし歯とは?のところでも説明しましたがC1(エナメル質のむし歯)C2(象牙質のむし歯)では痛みの症状としてはしみるや噛んだら少し痛む程度の痛みで済みます。しかしC3(神経までのむし歯)になると急に歯が痛いや痛くて噛めないなどの痛みが出てきます。そしてそのピークを過ぎC4(歯冠崩壊)になると逆に神経が死んでしまうので痛みは無くなります。

 根管治療とは歯の神経の治療のことを指します。むし歯が歯の神経まで到達しC3の状態になるとむし歯菌により神経の感染が起きます。そうなれば痛みが発生し歯の神経を物理的にとる必要があります。そのことを抜髄処置といいます。

 歯の神経をとるとは?実際どういう事かというと、歯には歯の根っこ(歯根)1本1本に神経が脳から歯根の先を介して入って来ています。その神経を歯根の先の部分で物理的に切断することを言います。そうすることで歯根内に入ってくる神経がなくなり結果的に歯の中には神経がなくなる為痛みがなくなります。しかし、治療はこれで終わりではありません。たとえ神経が無くなったとしても感染していたことには変わらないので根の中を消毒していく必要があります。そして消毒が終われば根の中を詰めていきます。根を詰めた後も感染や破折を防ぐ為に土台をいれ被せ物にしていきます。被せ物が入ればその歯の治療は終了です。

 なので歯の神経の治療となれば最終的な被せ物になるまで回数と時間がかかってきます。一度神経の治療となれば絶対に途中で終わることはお勧めしません。根管治療途中で終わってしまうと、破折やむし歯のリスクがかなり上がってきます。その結果、抜歯になる可能性が高くなります。むし歯にならないことが一番ですが、もし歯の神経の治療が必要な時は時間はかかりますがしっかりと治療を行うことが重要です。

 

 根管治療は歯科の治療の中でも1番2番を争う難しさです。難しさの理由としては、まず見えないことが挙げられます。歯の歯根は通常、骨の中に埋まっており肉眼での目視はかなり難しいです。近年、マイクロスコープなどの普及により肉眼での目視がある程度可能になってきましたがまだ難しいのが現状です。

 次に、歯の歯根形態や歯根の数が一人一人によって異なることがあげられます。ある程度の基準はありますが、一つの歯根に2つの根管があることや、二つの根管が1つに合流しているなど同じ歯根の形や根管形態はありません。これはCTを撮影することで解読することが可能になりつつあります。

 また、細菌が目に見えないことも難しさの要因の一つです。根管治療の除去する相手は感染した歯の神経線維は勿論のこと、むし歯菌や根管内に生息する細菌です。目には見えない為、本当に細菌が除去できているかどうかの識別は困難になります。なので、ラバーを使った治療や隔壁の形成、ニッケルチタンファイルを使った根管治療などを行うことでなるべく根管内に細菌を入れないようにすることが大事です。

 このように、症状のある歯を放置してもいい事はありません。根管治療はとても難しく、回数、時間そして費用もかかります。そうなる前に早期発見、早期治療が原則です。もし、少しでも症状がある場合は受診をお勧めします。むし歯になれば早く治しましょう。根管治療について詳しくはホームページをご覧ください。

また、関連のブログ「被せ物、保険と自費と何が違うの?」もあわせてご覧ください。